夕焼け小焼けに日が暮れて

一度『はずれ』を引いてしまうと、次に引いても、はずれが連続してしまう。
こんなことはよくある。
ならば次こそはと期待をこめて引くのだけれど、またしてもはずれ。
二度、三度と続ける内に、意地になってしまう。
そうして何度も繰り返すのだけれど、一向に良いものを引くことが出来ない。
はずればかりに苛立ち、気分が落ち込んで、仕舞いには自分に嫌気がさすのだけれど、それでも踏ん切りがつかずに引き続けてしまう。
普段は良いと感じるものを、引いたことすら気付かない。
どうして自分は引き続けているのだろう。
そんなことすらわからなくなったまま、延々と、残りの見えないはずれを引くはめになる。


そうしていつしか山札がなくなって、本当にどうしようもなくなったあとで気付くのだ。
最初の一枚を引いたとき、やめておけばよかったと。