セットで買ったのはいいけどやっと読み終えたんだよね。

ハチミツとクローバー読み終えました。


なんかなー、こう、いいですね。すごくいい。
読後の感覚は「超大作の映画を見終わったあとのボーっとくるあれ」に似ています。
それがこう、全身びっしりきてる感じ。
身体っていうより心? メンタルを隅々まで「はちくろ」で塗られまくったような、コーティングされてるっていうイメージですかね。
いやーっ、しっかし羽海野先生のキャラってこう、「生活してる」って気がしません?
「生きて」「動いてる」んじゃなくて、「生活してる」
ちゃんとそれぞれの独立した意識もあるし、時に食い違ったり、まれに以心伝心したりして過ごしてる。こういう、「生活してる」っぽさがこの人の描くキャラクターたちの凄いところ。
といっても私は「ハチクロ」と「3月のライオン」しか読んじゃないけど(読みきりとかはノーカウントとする。でもこの2本以外ってあるっけ?)なんかこう、それぞれの人が「好き」と「嫌い」をもやもやしながらも持ってて、簡単に決着がついちゃわない、ほんとうの「現実っぽさ」があったりして、毎日がうまくいったりうまくいかなかったり、ほんのささいなことに喜んだり、悲しんだり、寂しくなったりして。
そんなささいな、けれど大事な「リアリティ」を彼らは持っていて、
だからこそ私たち読者は、自分を重ねてこの世界を体験できる、ようになっちゃうんだ。
彼らは「ハチクロ」がはじまる前からも、そして終わった後もその世界で生活していく。
例えば自分が、電車に載っていて、窓の外をぼんやりとみているとする。
その窓から、「ハチクロ」という世界が見えている。
見えている間は楽しい。彼らの素敵な世界がみえて、触れられないながらも、その世界で楽しそうに暮らす彼らのことを眺めることが出来るから。
けれど、「小さな窓」からしかその世界を覗けない私たちは、過ぎていく世界に、遠のいていく彼らの姿に、もう自分が彼らの姿を見れないことに、ちょっぴり寂しい気持ちを噛み締めながら、次の窓を目指すしかないのだった。





まーいまさらハチクロかよ! ってツッコミはなしでお願いします。