作品提出用メモ

私が寂しいとき、彼は何も言わずそっと抱きしめてくれた。
涙を流したとき、その大きな手で、私を優しく撫でてくれた。
困ったことがあればすぐに飛んできてくれた。
一日でも逢わないと「おまえが居ないと寂しい」と言ってくれた。
誕生日。他の誰よりも、おそらく私よりも喜んでくれた。
彼が風邪をひいても、私に心配をかけないようにと強がって。
彼にどんな仕事があっても、私のためにはやく切り上げて。
どんなときも私の味方で、どんなときも私を思ってくれて、どんなときも私と居てくれた。


そして最後まで、私のことを愛してくれていた。
ベッドの上で、もう虚ろな彼が、
「おまえがそばに居てくれるだけで満足だ。おまえの顔が見れるだけで嬉しい。おまえの声がきけるだけで幸せだ」
そう言われたとき、私は泣いてしまいそうだった。
彼いつも私に、自分のすべてをくれた。何も見返りを求めなかった。
どんなことよりも優先し、どんなものよりも大切に思い、ただ、共に居ることを喜んでくれる。そんな感情を、人は愛と呼ぶのだろう。

私もいつか彼のように、誰かを愛したい。